研究会(研究発表会)

第57回(石川)

講演要旨

露地栽培湿地性カラーにおけるアザミウマ類に対する防虫ネット障壁の防除効果

青木由美・村岡裕一(富山農技セ農試)

露地栽培カラーは,アザミウマ類の発生が多くなる5月上旬以降に開花期を迎えるため,アザミウマ類の加害による品質低下が大きな問題となっている。現在,開花期に薬剤防除を数回行っているが,アザミウマ類は連続的に圃場内へ飛来するため十分な防除効果が得られていない。そこで,アザミウマ類に対する防虫ネット障壁の防除効果を検討した。まず,青色粘着トラップを用い,アザミウマ類の飛翔高度を調査した。主要加害種であるヒラズハナアザミウマの90%以上が2m以下を飛翔し,開花位置である60〜100cmに集中していた。また,袋状の防虫ネットで蕾を完全被覆し,採花適期における被害花率を調べた結果,無被覆区の100%に対し,1.0mmと0.6mm目合いの防虫ネット被覆区では,それぞれ69%,31%であった。以上の結果をもとに,露地カラー圃場に高さ2m,0.6mm目合いの防虫ネット障壁を設置したところ,アザミウマ類の発生が急増する5月下旬以降の侵入阻止効果および被害軽減効果が有意に認められた。防虫ネット障壁は,減農薬と切り花品質の向上に結びつく有効な防除法であると考えられる。

第57回(石川)講演要旨タイトルに戻る

Copyright © 2007 The Association for Plant Protection of Hokuriku. All Rights Reserved.
2008.2.13更新