研究会(研究発表会)
第58回(福井)
講演要旨
水田内におけるアカヒゲホソミドリカスミカメ合成性フェロモンを誘引源としたトラップの設置条件
村岡裕一1・青木由美1・中川俊昭1・福本毅彦2・望月文昭2(1富山農技セ農試・2信越化学)
ゴムキャップに含浸させたアカヒゲホソミドリカスミカメの合成性フェロモン0.01mgは,雄に対して誘引性が高いことが明らかとなっている(樋口ら,2004)。また,形状については水盤あるいは粘着垂直トラップの有効性について確認されている(滝田,2005)。そこで,発生消長を把握することを目的とし,水田内において,合成性フェロモン0.01mgを誘引源とした粘着垂直トラップの設置高さや水田内の設置場所について検討した。その結果,第1及び第2世代成虫飛来時期あるいはイネの出穂の有無にかかわらず,フェロモン源高が草冠部+0cmと+24cmの高さのトラップ誘引数がほぼ同等で,+44cmや+39cmより多くなった。水田内の設置場所については,水田畦畔から3m,10mに設置したトラップ誘引数に明確な差は認められず,水田内ほぼ均等に誘引されているものと推察された。