研究会(研究発表会)
第58回(福井)
講演要旨
遅植栽培と薬剤土壌混和処理によるチューリップ微斑モザイク病の防除
棚橋 恵1・西原英治1・宮島利功2・中野太佳司1(1新潟農総研園芸研・2新潟県経営普及課)
新潟県のチューリップ栽培ほ場では,土壌伝染性病害,特に微斑モザイク病が発生して被害が問題となっている。現行では登録薬剤もなく対策に苦慮している。本病に対する薬剤の土壌施用,遅植栽培および組合による防除効果を水田転換畑(cv:Oxford,2004年),砂丘畑(cv:Pink Impression,2005年)にて検討した。薬剤は,Fluazinam剤(Flu),Triclofos-methyl剤(Tri)を用い,土壌全面混和処理した。定植時期は,転換畑は慣行(10/14),遅植(11/18),砂丘畑は早植(10/13),慣行(10/27),遅植(11/10)とした。無病球根を用いた薬剤単独の防除効果(TMMMV感染率から算出した防除価)は,Flu(転換畑;35,砂丘畑;67),Tri(61,50),現地栽培球根を用いた慣行・薬剤無処理(0,0),慣行・Flu(60,20),慣行・Tri(53,11),遅植・無(29,8),遅植・Flu(49,31),遅植・Tri(57,15)であった。以上から薬剤土壌混和処理は微斑モザイク病の感染を抑制し,遅植栽培との組合せは抑制効果を高めた。また本効果は,葉腐病にも認められた。