研究会(研究発表会)

第58回(福井)

講演要旨

イネ科雑草におけるツマグロヨコバイの生育

平江雅宏(北陸研究セ)

ツマグロヨコバイは国内のイネの主要害虫であり,北陸地方ではイネの出穂後に高密度になり茎葉や穂を吸汁して減収を引き起こす直接吸汁害が問題にされている。本種はイネだけでなくイネ科植物を寄主とすることが知られているが,本種の生育にどれくらい適しているかを調べた例は少ない。そこで,水田周辺部でよく見られるイネ科雑草6種(イヌビエ,オオクサキビ,キンエノコロ,アキノエノコロ,オヒシバ,メヒシバ)について,ツマグロヨコバイの生育適性を調査した。野外から採取した葉身および葉鞘を試験管に入れツマグロヨコバイが2齢まで発育できる割合を調べたところ,イヌビエ(葉身・葉鞘),オオクサキビ(葉身),オヒシバ(葉身)で高く,オヒシバ(葉鞘),メヒシバ(葉鞘)では低かった。イヌビエとイネ(キヌヒカリ)をポットに植えてツマグロヨコバイ幼虫の発育を調べたところ,羽化率に差は認められなかったが発育日数はキヌヒカリで早い傾向が認められた。

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2008.1.30更新