研究会(研究発表会)

第58回(福井)

講演要旨

地震後の晩植水稲における病害虫とイチモンジセセリの発生量調査

山代千加子1・板谷越重人1・中嶋健一21新潟防除所・2長岡農改セ)

2004年10月の中越地震により被害を受けた農地は1万haを超えた。復旧作業によって作付けが遅れ,6月に移植された水稲は,長岡地域振興局管内で約1,300haに及んだ。防除所では移植の遅れた水稲に発生しやすい病害虫情報を発表して被害の発生防止に努めた結果,晩植によると思われる病害の発生はほとんどなかった。害虫では,全県的に多発生したコブノメイガと局地的に甚発生したイチモンジセセリの発生が特徴的であった。イチモンジセセリは,長岡市(旧越路町)の信濃川流域約10haで8月第3半旬頃から加害が急増し,局地的に甚被害を受けた。ここで8月12日に,発生程度の異なる6圃場を調査した結果,幼虫・蛹数とツト数,幼虫・蛹数と被害程度はいずれも高い相関が得られ,それぞれの読み替えが十分に可能であった。今後,幼虫数に基づく被害解析や要防除水準の実用化にあたって,防除の現場で導入しやすい簡便な調査方法として利用できると思われた。

第58回(福井)講演要旨タイトルに戻る

Copyright © 2007 The Association for Plant Protection of Hokuriku. All Rights Reserved.
2008.1.30更新