研究会(研究発表会)
第58回(福井)
講演要旨
水田内に設置したアカヒゲホソミドリカスミカメ合成性フェロモントラップの誘殺消長
樋口博也1・高橋明彦1・福本毅彦2・望月文昭2(1北陸研究セ・2信越化学)
アカヒゲホソミドリカスミカメ合成性フェロモンの量とその誘引性,誘引性の持続期間については明らかにされ,本種の発生消長の把握に合成性フェロモン剤を誘引源としたトラップが利用できる可能性が高い。そこで,合成性フェロモン剤を誘引源としたトラップを水田内に設置し,誘殺雄数の推移を調査し,すくい取り虫数の推移と比較した。トラップは水盤トラップと粘着トラップを使用し,設置高は地面から1mの高さと常に水稲の草冠高となるように調節したものとした。水稲の草冠高にトラップを設置した場合,水盤トラップ,粘着トラップともに誘殺雄数の推移は,捕虫網によりすくい取りを行い調査した水田内の成虫数の推移を反映していた。したがって,アカヒゲホソミドリカスミカメのフェロモントラップとしては,水盤トラップと粘着トラップが使用でき,トラップの誘殺消長は設置場所の成虫の発生状況を反映しており,成虫の発生消長の把握に有効であると考えられる。