研究会(研究発表会)

第58回(福井)

講演要旨

温湯・食酢処理後の重曹浸漬による種もみ消毒効果の向上

関原順子・向畠博行(富山農技セ農試)

温湯と催芽時食酢の併用処理はイネ褐条病に卓効を示すが,接種保菌率が高い種籾の場合,もみ枯細菌病および苗立枯細菌病に対し効果不足な場合が認められる。そこで重曹による防除効果向上について検討した。催芽時に重曹2%以上で処理を行うと,もみ枯細菌病に対し防除価は90以上となり,苗立枯細菌病,褐条病に対しては防除価は80以上となったが,濃度を高くしても防除効果は向上しなかった。2%重曹を催芽液に使用した場合,32°Cで48hr催芽しても,はと胸以上に出芽が伸長しない現象が認められた。ただし,出芽,育苗への影響は重曹4%まで認められなかった。次に温湯処理及び催芽時食酢処理の後に2%重曹瞬時浸漬を加えたところ,褐条病,もみ枯細菌病,苗立枯細菌病の3病害に対して防除価99以上を示し,極めて高い防除効果が得られた。以上のことから,温湯・食酢処理の後に重曹浸漬処理を加えることにより複数の細菌性病害に対し,安定した防除効果が得られた。

第58回(福井)講演要旨タイトルに戻る

Copyright © 2007 The Association for Plant Protection of Hokuriku. All Rights Reserved.
2008.1.30更新