研究会(研究発表会)
第58回(福井)
講演要旨
イネ科畦畔雑草の穂切除によるアカヒゲホソミドリカスミカメの産卵抑制効果の検討
斉藤 毅1・長澤淳彦2(1高岡農改セ・2北陸研究セ)
アカヒゲホソミドリカスミカメは,イネ科の葉鞘,葉舌の隙間に産卵することが明らかとなっているが,穂への産卵が植物によっては葉鞘よりも多いことが明らかにされている(長澤ら,未発表)。このことから,イネ科畦畔雑草の出穂を阻止する事で本種の密度を低下させることができないか秋に出穂する雑草について検討を行った。試験は,オヒシバ,メヒシバ,ケイヌビエの3種について行った。穂+茎葉と茎葉のサンプルならびに羽化4〜6日後の雄雌各5頭を直径9cm、高さ30cmの円筒形のプラスチック容器に入れ25°C,16L–8Dの恒温器内に静置した。48時間後にサンプルを回収,同一条件下の恒温器内で14日間、孵化数を調査した。その結果,孵化はオヒシバで穂に多く,メヒシバで穂と葉鞘が同程度,ケイヌビエではほとんどが葉鞘に認められた。また,茎葉のみでは穂が有る場合と比較し,オヒシバでは孵化数を約半数まで低下させたが,ケイヌビエでは逆に増加し,極端に孵化数を低下させる事はできなかった。