研究会(研究発表会)

第58回(福井)

講演要旨

アカヒゲホソミドリカスミカメの産卵と幼虫発育に対する種子吸汁の効果

佐藤秀明・石本万寿広(新潟農総研作物研)

アカヒゲホソミドリカスミカメの産卵,幼虫発育に対する種子吸汁の効果を明らかにするため,室内で,産卵試験と幼虫発育試験を行った。餌の種類を,コムギまたはイネ(幼虫発育試験のみ)の芽出し苗(1葉期)のみ,芽出し苗+コムギ種子,芽出し苗+玄米とした。産卵試験ではこの餌と羽化24時間以内の成虫雌雄1対を,幼虫発育試験では餌とふ化24時間以内の幼虫1頭を両切りガラス管に収容し,25°C,16時間日長で飼育し,餌は毎日交換した。産卵試験では産卵数を毎日調査し,幼虫発育試験では生死・齢期を毎日調査し,羽化個体の前翅長を計測した。産卵試験では,コムギ種子,玄米を与えた処理で産卵数が多かった。幼虫発育試験では,コムギ苗を用いた場合,羽化率には餌の種類による差異はなかったが,幼虫期間と前翅長に差異が認められ,コムギ種子,玄米を与えた処理で幼虫期間が短く,前翅長が長かった。イネ苗を用いた場合,コムギ種子,玄米を与えた処理で羽化率が高かった。これらのことから,種子の吸汁は,成虫の産卵と幼虫の発育に明らかな効果があると考えられた。

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2008.1.28更新