研究会(研究発表会)

第59回(新潟)

講演要旨

接種によるイネいもち病菌の病原性突然変異菌出現頻度の測定

石川浩司・黒田智久・堀 武志(新潟農総研作物研)

既存の菌レースに非親和性を示す系統を侵害可能な新レースは突然変異により出現すると考えられている。そこで,接種試験により病原性突然変異菌の出現頻度を測定した。約7葉期まで生育したコシヒカリ,コシヒカリ新潟BL3(真性抵抗性遺伝子 Pita-2),4(Piz),5(Pik),7(Piz-t)および8(Pib)号に,オートミール培地で培養し,BLBランプ照射下で胞子形成させた4菌株(レース007.0)の胞子懸濁液を噴霧接種した。接種した各コシヒカリBLからは,それぞれが持つ真性抵抗性に親和性を示すレース007.2,047.0,047.2,037.1,307.0および407.0の菌株が分離された。これらの菌株は,037.1以外は県内に分布しないレースであり,接種菌株と同じくPik-sPiaPiiに対する病原性を有し,比較として蒸留水を噴霧した各コシヒカリBLで発病が認められなかったことから,接種菌株から生じた病原性変異菌と推定された。各コシヒカリBLに生じた変異菌の病斑数をコシヒカリの病斑数で除して算出した病原性変異菌の出現頻度は,2.5×10−5〜7.3×10−4であった。

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2008.2.25更新