研究会(研究発表会)
第59回(新潟)
講演要旨
新たに発生したヒマワリうどんこ病菌Reticuloidium亜属菌の富山県における発生実態
佐藤幸生1・山下真裕1・星 秀男2・堀江博道3(1富山県立大短大・2東京防除所・3東京都総農研)
演者らは先に,ヒマワリとダリアでの新発生うどんこ病菌Oidium属Reticuloidium亜属菌(OR菌)について報告した(2002)。ヒマワリ上の本菌をキュウリ(品種南極2号)に接種したところ,病原性を有す事からキュウリ上の菌の伝染源としてヒマワリ上の菌が示唆された(星ら,未報告)。そこで,富山県におけるヒマワリうどんこ病の発生実態を調査した。発生は8月末から始まり1カ所で従来からのOidium属Fibroidium亜属菌の発生を認めたが,9月に入って県内5市町村の21カ所で調査した結果,全ての地域でOR菌のみの発生を認めた。分生子はフィブロシン体を欠き,鎖生し,無色,単胞,大きさは(25.0–)27.5〜35.0(–50.0)×(15.0–)17.5〜20.0(–25.0)µm,Foot-cellは(27.5–)32.5〜105.0(–195.0)×10.0〜12.5(–15.0)µmで既報の報告と似ていた。以上の結果,ヒマワリ上でOR菌が広範に発生している可能性があり,キュウリ上のOR菌の伝染源になりうる事が示唆された。