研究会(研究発表会)
第59回(新潟)
講演要旨
すくい取りによるアカヒゲホソミドリカスミカメ捕獲数と斑点米発生量の関係
石本万寿広(新潟農総研作物研)
2000〜2002年と2004年に,わせじまん(極早生),こしいぶき(早生),コシヒカリ(中生)の水田で行ったすくい取り調査(40回振り,3〜8日間隔)と斑点米発生量調査のデータ(12データ)により,成幼虫数と斑点米率の関係を検討した。登熟初期(出穂期〜出穂期14日後)の平均成虫数,登熟中後期(出穂期15日後〜成熟期)の平均成幼虫数と斑点米率(%)の間にはいずれも有意な関係が認められ,その関係式はy = 0.14x − 0.33(r2=0.757),y = 0.10x − 0.09(r2 = 0.963)であった。y = 0.1として逆推定した個体数は,登熟初期の平均成虫数で3.1頭,登熟中後期の平均成幼虫数で1.9頭であった。登熟初期の平均成虫数と登熟中後期の平均成幼虫数の間にも有意な正の関係が認められた(y = 1.45x − 2.48,r2 = 0.800)。登熟中後期の成幼虫密度と斑点米発生量には密接な関係があることが確認された。登熟初期の成虫密度から斑点米発生量をおおまかに予測することは可能であるが,防除上必要とされる,斑点米率0.1%付近の予測には精度の向上が必要と考えられた。