研究会(研究発表会)

第59回(新潟)

講演要旨

施設ホウレンソウ栽培団地におけるフェロモン剤利用の検討

水澤靖弥1・高岡誠一1・早川嘉孝1・北島義訓21福井農試・2福井県庁)

ホウレンソウ等の軟弱野菜類は農薬を使用しない栽培が基本となっており,化学農薬に替わる防除技術が求められている。そこで2002年〜2005年において,施設ホウレンソウ栽培地帯で,ハスモンヨトウを対象とした大量捕獲用フェロモン剤の利用技術の検討を行った。フェロモントラップは8月〜10月に設置し,屋外に,栽培団地(約13ha)を取り囲むように44〜54箇所設置した。 誘殺は,いずれの年もトラップを設置した8月誘殺され始めたが,誘殺最盛期については差異が見られた。総誘殺数は2万頭〜13万頭(540〜2780頭/1トラップ/年度)を越え,ハスモンヨトウによる被害は,栽培施設により異なるが,2〜10割減少した。フェロモントラップを設置した防除効果の他,発生消長の把握が可能となった結果,ハスモンヨトウの化学農薬による防除は大幅に削減された。全体の防除回数では,トラップ設置期間中の1作当たりの防除回数は,慣行の4.4回から2.4回へと減少し,ホウレンソウ栽培における減農薬栽培技術が可能となった。

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2008.2.25更新