研究会(研究発表会)
第59回(新潟)
講演要旨
スイゼンジナを食害する新害虫ハイイロホソバノメイガ及び本虫の簡易トラップによる誘殺について
濱崎貴史1・藪 哲男1・東元徳一1・八木敏江1・村濱 稔2・富沢 章3(1石川防除室・2県央農林・3石川ふれあい昆虫館)
スイゼンジナは,キク科の多年草で,葉の裏面が金時芋のように赤紫色であることから,石川県では「金時草(きんじそう)」と呼ばれ,地域特産野菜として主に中山間地で栽培されている。2005年頃から,6月から10月にかけてスイゼンジナの立ち枯れ症状が散見され,2006年に金沢市俵原の現地圃場において,スイゼンジナの株元を食害するチョウ目幼虫が確認された。室内で飼育し,羽化後,成虫を同定したところ「ハイイロホソバノメイガ」であった。スイゼンジナには,これまでに13科17目の害虫が記録されているが,本虫による加害の記録はない。なお,青色発光ダイオードを光源とした簡易トラップによる本虫の誘殺を試みたところ10月3日から16日の間に13頭捕獲され,本虫が青色光に誘引される可能性が示唆された。今後は,本虫の生態解明と防除法について検討したい。