研究会(研究発表会)

第59回(新潟)

講演要旨

スナムグリヒョウタンゾウムシの発生生態に関する知見

中野 潔・塚本充広(新潟防除所)

新潟県の砂丘地畑で被害が増加しているスナムグリヒョウタンゾウムシについて,2005〜2006年に発生消長等の生態を調査した。ごぼう等において,定期的に葉と根部の寄生加害状況,雑草地で時刻別寄生密度,雑草加害状況,さらに解剖により卵巣発育状況を調査した。(1)成虫は夜間の寄生密度が日中の4倍以上になり,夜間の地表歩行も多数観察され,夜間に歩行により,周辺雑草地等から侵入すると考えられた。(2)越冬後成虫はキク科,アカバナ科,マメ科等の双子葉植物の葉を好んで食害し,イネ科雑草の食害は少なかった。(3)越冬後成虫のほ場侵入は4月中旬から始まり5月中旬〜下旬がピークで成虫は6月中旬まで見られた。ほ場周辺部は中央部に比べ食害が多かった。(4)成虫の卵巣発育は4月中旬にすでに始まり,成熟卵の状況から産卵は5月上旬からで,5月20日頃には産卵が盛んに行なわれていたと推察された。(5)中〜老齢幼虫は7月,新成虫は8月下旬から確認された。上記から,幼虫被害防止には,4月下旬〜6月上旬に成虫の侵入を阻止するか,5月の成虫に対する防除薬剤散布が有効と考えられた。

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2008.2.25更新