研究会(研究発表会)

第59回(新潟)

講演要旨

ジャガイモ疫病菌由来の新規活性酸素種(AOS)誘導因子(PiPE)は過敏感反応およびオキシダテブバーストを引き起こす

古市尚高1,横川和俊2,君島悦夫3,平塚和之4(1新潟大超域研・2新潟大自然研・3横浜植防・4横浜国立大工)

過敏感細胞死は,植物–病原菌相互作用において,種–レース特異性に関わり重要な役割を担う。新規AOS誘導因子はPiPEと呼ぶが,疫病菌菌体(Pi)からHPLCにより純化を行った。その結果,27KDペプチドがAOS誘導活性を有していた。PiPEの遺伝子をPiより単離し,過敏感細胞死誘導活性およびAOS誘導活性をルミノメーターを用いて解析した。その結果,PiPEのAOS誘導因子は,FBA(fructose 1,6 bisphosphate aldolase)と遺伝子レベルで高い相同性を示した。さらに,His-tagged PiPEを作成し,E.coliおよび 昆虫細胞で発現を試みた結果,糖タンパク質His-PiPEがAOS誘導活性を有していた。PiPEは,発芽液の中にも放出されることを抗-PiPE抗体を用いたELISA(高感度免疫抗原抗体反応) 解析により明らかにした。これらの結果は,PiPEが宿主細胞において,AOS誘導因子として,働くことを強く示唆し,新規の活性PiPEペプチドが,種–レース特異性を決定する場面で役割を果たすことを示唆した。

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2008.2.25更新