研究会(研究発表会)
第59回(新潟)
講演要旨
ダイズ茎疫病に対する有効薬剤および富山県内から分離された本病菌の病原性差異
向畠博行・関原順子・坂田清華(富山農技セ農試)
ダイズ茎疫病の生育期有効薬剤について,V8ジュース培地で培養した菌体を圃場では潅注接種し,ポット栽培では薬剤散布24時間後に噴霧接種する方法で検討した。3ヵ年の試験で,高い防除効果を示した薬剤はジメトモルフ・銅,マンゼブ・メタラキシル,ベンチアバリカルブイソプロピル・TPN,シアゾファミド,アミスルブロム等で,防除価はオキサジル・銅水和剤と同程度かそれ以上であった。一方,富山県内各地から分離された茎疫病菌の病原性の違いを培地挿芽接種法で検討した。判別品種に,「はや銀1」,「ゲデンシラズ1号」,「黄宝珠」,「キタムスメ」の4種を供試し,ダイズ幼苗胚軸をV8ジュース寒天培養の菌そう中に挿入接種し,25°C,7日目に発病調査を行った。2ヵ年の試験結果を既報の北海道立農試の示した4レース群と照合すると,約35%の菌株がレースIIに該当したが,他の菌株では該当するレース群がなく,病原性は菌株間で顕著に異なった。この他,品種「エンレイ」に対する接種では,供試全菌株で罹病性を示した。