研究会(研究発表会)
第59回(新潟)
講演要旨
新潟県上越地域におけるダイズのウコンノメイガとマエウスキノメイガの発生の違い
塚本充広・小池利幸・中野 潔(新潟防除所)
ダイズの食葉性(葉巻)害虫として知られるマエウスキノメイガは,ウコンノメイガとよく似た被害葉をつくることが知られている。上越地域のダイズほ場で,7月下旬〜9月上旬に捲葉中の幼虫を採取し,室内飼育して加害種を確認した。その結果,ウコンノメイガは主に8月上中旬頃に蛹化し,8月中下旬頃に羽化した。一方,マエウスキノメイガは7月末頃蛹化し,8月上旬に羽化した個体と8月末〜9月上旬頃蛹化し,9月上中旬頃羽化した個体が確認された。8月下旬以降に加害していた幼虫は,ほとんどがマエウスキノメイガであった。両種の中〜老齢幼虫は斑紋や大きさ等で区別は可能だが,被害葉では明瞭な判別は困難であった。これらの結果に予察灯の誘殺消長を加味すると,新潟県ではウコンノメイガは越冬世代成虫が6月下旬〜7月上旬,第1世代成虫は8月中旬〜9月上旬に発生する年2世代と考えられる。一方,マエウスキノメイガは周年経過は不明ながらダイズ上で少なくとも2世代経過すると推定された。