研究会(研究発表会)
第59回(新潟)
講演要旨
ブドウ‘ロザリオ ビアンコ’ハウス栽培における光反射シート敷設によるチャノキイロアザミウマの防除効果
松澤清二郎1・山澤康秀2・根津 潔1(1新潟農総研園芸研・2現:新津農普セ)
新潟県では数年前から一部の‘ロザリオ ビアンコ’ハウスで,収穫期近くになると,チャノキイロアザミウマの寄生により,果実表面に淡褐色の細かなかすり状の斑点が発生し問題となっている。そこで,現地無加温ハウス栽培におけるチャノキイロアザミウマの発生実態を調査するとともに,光反射シート敷設による果実被害軽減効果について検討した。被害果にはチャノキイロアザミウマの寄生が認められ,寄生密度が高いほど被害は大きかった。ハウス内では7月以降チャノキイロアザミウマの発生が認められ,果面の汚れ対策として薬剤防除が実施されなくなる8月中旬以降急激に密度が上昇した。ハウス内の地面に光反射シート(反射率90%以上)を6月中旬から収穫期まで設置したところ,チャノキイロアザミウマの粘着板トラップへの誘殺数が無処理区に比べ約1⁄2に減少した。被害果房率も1⁄4以下に抑えられ,高い防除効果が認められた。