研究会(研究発表会)

第59回(新潟)

講演要旨

イネ褐色米に対する水面施用薬剤,ケイ酸資材の防除効果

本多範行(福井農試)

イネ褐色米の原因菌であるCurvularia lunataAlternaria alternataAlternaria padwickiiを1/5000aポットで栽培したコシヒカリの穂に噴霧接種し,5種類のいもち病防除薬剤と4種類のケイ酸資材による発生抑制効果を比較した。出穂前に湛水状態で処理すると,供試した薬剤のうちメトミノストロビン剤は3種の接種菌による褐色米の発生を抑制した。ケイ酸資材の抑制効果は見られなかった。2006年にコシヒカリ栽培圃場で,出穂10日後にA. alternataを接種し防除効果を検討した。A. alternataを噴霧接種すると褐色米粒率は3.8%と無接種区に比べ約1%高くなった。出穂1か月前に施用した珪酸苦土石灰(200kg/10a),20.0粒状熔成りん肥(200 kg/10a)の褐色米発生抑制効果は認められなかった。出穂1か月前にメトミノストロビン剤(1kg/10a)を施用するとA. alternataによる褐色米粒率は約60%減少し,A. padwickiiによる褐色米も少なくなったことから,褐色米防除薬剤として有望と考えられた。

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2008.2.25更新