研究会(研究発表会)
第60回(富山)
講演要旨
スタークル®粒剤の大型動散による広域散布技術 I.薬剤落下の均一性
早川義範1・柴田俊浩2(1新潟中央農業共済組合・2北興化学新潟支店)
粒剤を大型動散で散布する技術について,青柳ら(1975)は110mホースで実用可能と評価している。演者らは,スタークル°粒剤を大型動散に100mまたは125m,背負動散に40mの粒剤用ホースを装着した散布での薬剤落下の均一性と作業能率を検討した。いずれのホースでも均一散布が可能で,十分実用的であることが再確認された。ただ,ホースを途中で短縮し,先端の「風抜き穴」を閉じた状態での散布では,先端部の落下量が極端に減少することが確認された。その範囲は100m,125mホースでは先端部4〜5m,40mホースでは2m程度であった。事業散布においてはこれを前提として作業すれば実用性に問題はないと考えられた。作業能率は高く,100mホースでは1日70〜100ha程度は十分散布できると思われた。農薬の粒剤化はポジティブリスト対応技術としても注目され,高能率な散布技術はこれを支えるものでもあろう。新潟県では有人ヘリ散布が全面中止され,無人ヘリの作業スケジュールもかなり窮屈になっており,その緩和策としても注目される。将来,除草剤や追肥散布にも適用できる技術としても期待できる。