研究会(研究発表会)

第60回(富山)

講演要旨

合成性フェロモントラップによるアカヒゲホソミドリカスミカメ第1世代成虫の地域的な発生量調査の可能性

石本万寿広・佐藤秀明・山代千加子(新潟農総研作物研)

新潟県では,6月中下旬〜7月中旬に水田内でアカヒゲホソミドリカスミカメ第1世代成虫の発生が認められる。2005年〜2007年に長岡市滝谷町の約75haの地域で,合成性フェロモントラップによりその発生状況を調査した。任意に抽出した8〜10筆の水田の中央にフェロモントラップ(粘着式)を1台設置(2007年は各水田の畦畔際にも1台設置)し,7日間隔で誘殺数を調査した。雄成虫の誘殺はすべての水田で認められ,第1世代の誘殺期間は4週間程度であり,年次,水田の違いによる誘殺時期の差異は小さかった。第1世代期平均総誘殺数±SDは,2005年(6月16日〜7月19日);48.6±18.0,2006年(6月22日〜7月19日);41.4±26.5,2007年(6月21日〜7月18日);20.1±12.7であり,数式n=4s2/d2求めた必要調査点数は,許容誤差40%で4〜10点であった。また,畦畔際に設置したフェロモントラップの畦畔際への設置も可能と考えられた。以上のことから,フェロモントラップにより第1世代成虫の地域的な発生量を簡易に調査できることが示唆された。

第60回(富山)講演要旨タイトルに戻る

Copyright © 2007 The Association for Plant Protection of Hokuriku. All Rights Reserved.
2009.12.23更新