研究会(研究発表会)
第60回(富山)
講演要旨
アカヒゲホソミドリカスミカメ合成性フェロモントラップへのキアゲハ付着防止技術の開発
吉村具子1・原田博樹2・越智昭彦1・佐藤利美1(山形農研セ1・山形西置賜普及課2)
アカヒゲホソミドリカスミカメ(以下アカヒゲ)の合成性フェロモントラップは,水田における成虫の発生消長の把握に有効であり,山形県においても普及が進んでいる。しかし,一部地域でトラップにキアゲハが大量に付着する現象が確認され,調査の作業効率が落ちたことから,付着防止技術について検討した。供試したトラップは,(1)粘着板トラップの周辺にテグスを張ったもの,(2)粘着板トラップを金網で覆ったもの,(3)粘着式網円筒トラップで,通常の粘着板トラップを対照とした。7月上旬から9月上旬に,水田内にこれらのトラップを設置し,7日毎にアカヒゲ誘殺虫数,キアゲハ等の鱗翅目昆虫の付着数を調査した。キアゲハの付着を防ぎ,アカヒゲ誘殺数への影響が最も小さいトラップは,粘着板トラップの周辺にテグスを張ったものであった。