研究会(研究発表会)
第60回(富山)
講演要旨
水田内畦畔際に設置したアカヒゲホソミドリカスミカメ合成性フェロモントラップの実用性の検討
青山政義1・岩脇 喬1・池田利昭1・大井 純1・吉島利則2(1富山防除所・2富山農技セ農試)
アカヒゲホソミドリカスミカメの簡易な発生調査方法として,水田内畦畔際に設置した合成性フェロモントラップの実用性について検討した。調査は県内25カ所の現地ほ場および農業試験場の無防除田3カ所で畦畔際と中央部にフェロモントラップを設置し,誘殺数の比較検討を行った。その結果,畦畔際と中央部における出穂始期から4週間のトラップ誘殺数に高い相関関係が認められた。また,出穂始期〜傾穗期のトラップ誘殺数は畦畔際に対し中央部が有意に多かった。一方,農業試験場の無防除田での第1世代のトラップ誘殺数は,中央部より畦畔際が多い傾向が見られ,第2〜3世代のトラップ誘殺数は現地ほ場と同様に畦畔際より中央部が多かった。このことから,イネの出穂前である第1世代は畦畔際に,出穂後である第2〜3世代は中央部に設置したほうが発生量をより的確に把握できると考えられた。