研究会(研究発表会)

第60回(富山)

講演要旨

イネ科雑草におけるツマグロヨコバイの生存および発育

平江雅宏(北陸研究セ)

ツマグロヨコバイはイネだけでなくイネ科雑草を寄主とすることが知られているが,本種の生育にどれくらい適しているか調べた例は少ない。北陸地方で夏から秋の期間に生育しているイネ科雑草におけるツマグロヨコバイの生育適性については第58回研究会で発表した。今回は,冬から春にかけての幼虫越冬期間中に生育しているイネ科雑草について,ツマグロヨコバイの生存および発育を調査した。野外から採取したスズメノテッポウおよびスズメノカタビラの幼植物を試験管に入れツマグロヨコバイの生存を調べたところ,スズメノテッポウはイネ芽出し苗(品種:日本晴)と同程度の高い生存率を示したが,スズメノカタビラは放飼3日後から生存率が低下し7日後には45%となった。また,幼虫の発育試験を行ったところ,スズメノテッポウでは90%の羽化が認められ,幼虫発育期間は雌で21.4日,雄で19.1日であったのに対し,スズメノカタビラでは全ての幼虫が死亡し羽化個体は認められなかった。

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2009.12.23更新