研究会(研究発表会)

第60回(富山)

講演要旨

カキすす点病の異なる薬剤防除条件における発病推移

永瀬 淳1・堀川拓未21新潟防除所・2新潟農総研佐渡農技)

カキすす点病の発生要因解明のため,2007年に佐渡市内3地点で異なる薬剤防除体系における発病推移を調査した。中興ほ場(品種:平核無):平坦部にある農業技術センターほ場。殺菌剤延べ成分数(散布回数)の異なる3区を設定。慣行防除区(殺菌剤9成分)が発病未確認であったのに対し,殺菌剤6成分区は10月上旬から発病し,発病果率(収穫前,以下同じ)は2%,殺菌剤4成分区は8月中旬から発病し,発病果率は17%。新穂正明寺ほ場(品種:刀根早生):林に囲まれた一般ほ場。殺菌剤5成分の減農薬栽培。8月上旬から発病し,発病果率は44%。栗野江ほ場(品種:刀根早生):林に一部隣接の一般ほ場)。殺菌剤9成分の慣行防除栽培。8月上旬から発病し,発病果率は8%。以上の結果から,7月下旬までの防除が8月上旬からの発病を抑制し,8月下旬〜9月上旬の防除が9月上旬以降の発病増加を抑制するのに重要と見られた。また,陽当たりや通風の良い中興ほ場に比べ,林に隣接した新穂正明寺・栗野江ほ場では,調査樹間で発病推移の変動が大きかった。微気象等のほ場内の局所的条件が発病果率に大きく影響することが示唆された。

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2009.3.9更新