研究会(研究発表会)
第60回(富山)
講演要旨
エチプロール粒剤による斑点米カメムシ類防除とカメムシ類飛来のイネ科雑草種間差
徐 錫元1・柳瀬仁一2・鈴木克彦1・谷口 明1(1バイエルクロップサイエンス・2全農岐阜)
岐阜県大野町の慣行栽培水田圃場(品種:ハツシモ,出穂期:9月4日)において,2時期(出穂11日前,出穂期)にエチプロール粒剤を本田散布し(対照区:ジノテフラン粒剤/出穂7日後処理),斑点米カメムシ類の発生と斑点米防除効果を調査した。主なカメムシ類はアカスジカスミカメで,その他にホソハリカメムシ・クモヘリカメムシ等であった。エチプロール粒剤は,いずれの時期の処理とも,対照剤よりも斑点米発生率は低く,斑点米防除に有効であった。このことから,エチプロール粒剤の散布適期は,出穂10日前頃〜出穂期と長い。登熟中・後期,エチプロールではアブラムシ類の発生は見られなかったが,対照剤では多発し薬剤間で異なった。畦畔において,アカスジカスミカメやホソハリカメムシは,エノコログサよりもメヒシバやノビエの穂に多く見られた。この違いはイネ科雑草種間の穂の形態的違いによると推察された。