研究会(研究発表会)

第61回(石川)

講演要旨

アカスジカスミカメのフェロモントラップの種類と設置高

樋口博也1・高橋明彦1・安田哲也2・渡邊朋也21北陸研究セ・2中央農研セ)

アカスジカスミカメは、ここ数年北陸地域において急速に分布域が拡大し,斑点米被害が問題となっている。アカヒゲホソミドリカスミカメについては合成性フェロモン剤が市販され,フェロモントラップを用いた発生予察技術の開発が進められている。アカスジカスミカメについても,雌の性フェロモン成分が明らかにされ合成が可能となった。そこで,アカスジカスミカメの発生予察技術を開発するため,合成性フェロモンを誘引源としたトラップの種類と設置高について検討した。メヒシバが繁茂した休耕田に水盤トラップと粘着トラップを設置し,誘殺される雄数を調査した。誘殺雄数は粘着トラップが水盤トラップより有意に多く,粘着トラップのほうが誘殺効率が高いことが明らかとなった。次に,イネ科植物が繁茂する休耕田で,粘着トラップの設置高について検討した。トラップの高さは,イネ科植物の草冠高を基準とし,粘着板の下辺が草冠より24cm 高い,下辺が草冠高,上辺が草冠高の3段階とした。誘殺雄数は,粘着板の下辺を草冠高とした場合と上辺を草冠高とした場合で差は認められず,下辺を草冠高より高くした場合に有意に減少した。アカスジカスミカメのフェロモントラップは,粘着トラップを植物体の草冠高付近に設置するのが適当であると考えられる。

第61回(石川)講演要旨タイトルに戻る

Copyright © 2007 The Association for Plant Protection of Hokuriku. All Rights Reserved.
2009.12.29更新