研究会(研究発表会)

第61回(石川)

講演要旨

イネもみ枯細菌病菌,苗立枯細菌病菌,褐条病菌ファージの探索

安達直人・塚本昇市(石川農研)

演者らは,イネ苗立枯細菌病菌ファージを分離し,イネ種子浸種時にそのファージ液を処理することで苗立枯細菌病の発生を抑制することができることを報告してきた。しかし,水稲育苗期には苗立枯細菌病のほかにもみ枯細菌病,褐条病も発生することから,ファージによる病害防除技術を確立するうえでは,これら細菌性病害を包括的に防除できるファージシリーズが必要である。石川県内の河川,農業用水,水田等から水を採取し,苗立枯細菌病菌,もみ枯細菌病菌,褐条病菌を指示菌としてあらたなファージの探索を行った結果,苗立枯細菌病菌ファージが5種,もみ枯細菌病菌ファージが1種,褐条病菌ファージが3種分離された。 石川農研保存の病原細菌株を用いてファージタイピングを行った結果,もみ枯細菌病菌ファージとして分離されたものが苗立枯細菌病菌を溶菌する場合があるの に対して,苗立枯細菌病菌ファージとして分離されたものがもみ枯細菌を溶菌することはなかった。また,褐条病菌ファージはプラークが不明瞭であった。

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2009.12.29更新