研究会(研究発表会)
第61回(石川)
講演要旨
褐色米に対するメトミノストロビン剤,アゾキシストロビン剤,亜リン酸液肥の散布時期と防除効果
本多範行1・古賀博則2(1福井農試・2石川県大)
褐色米に対するメトミノストロビン剤,アゾキシストロビン剤及び亜リン酸液肥の防除効果を散布時期を変えて調べた。2007年の結果では,メトミノストロビン剤の防除効果はA. alternataによる褐色米に対しては出穂前44日,33日,24日,14日の散布日のうち出穂前24日が最も高く,A. padwickiiによる褐色米に対しては出穂前14〜33 日が,Curvularia菌による褐色米に対しては出穂前44日が高かった。アゾキシストロビン剤を出穂前14日,出穂期,出穂後10日,20日に散布した結果,Alternaria菌に対する防除効果は出穂後10日と20日が高かったのに対し,Curvularia菌に対しては出穂後10日が高く,菌種によって防除適期の違いが見られた。また、亜リン酸液肥の散布も同様に行った結果,防除効果は出穂後10日と20日が高かった。2008年にメトミノストロビン剤を出穂前18日に散布した結果,傾穂期におけるA. padwickiiの胞子飛散量が抑制され,A. padwickiiによる褐色米の発生が約50%減少した。また,メトミノストロビン剤散布後,出穂後8日に亜リン酸液肥を散布すると,メトミノストロビン剤単独施用に比べ,褐色米に対する防除効果がさらに高まった。