研究会(研究発表会)
第61回(石川)
講演要旨
山形県におけるアカヒゲホソミドリカスミカメのMEPに対する薬剤感受性
吉村具子1・越智昭彦1・土門 清2(1山形農研セ・2山形防除所)
斑点米カメムシ類は低い密度でも米の等級低下を引き起こすため,特に高い防除効果が求められる水稲害虫である。山形県の主要加害種の一つであるアカヒゲホソミドリカスミカメについては,新潟県においてMEPに対する感受性の低下が報告されている(石本 2004)。そこで,山形県内の本種の個体群について,局所施用法によりMEPに対する感受性を検定した。試験には,2007年,2008年に山形県内3地点の牧草地および雑草地より採集した越冬世代成虫を累代飼育した個体群と,新潟県の感受性個体群を供試した。その結果,3地点のうち2地点の個体群については,そのLD50値が感受性個体群の9.2倍と19.4倍であったことから,感受性が低下していると考えられた。これら地域の水稲防除では,少なくとも過去9年の間,毎年MEP剤が使用されていた。