研究会(研究発表会)
第61回(石川)
講演要旨
金時草(スイゼンジナ)に感染するウイルス
塚本昇市・安達直人(石川農総研セ)
石川県では,地域特産作物であるキク科野菜の金時草(スイゼンジナ)の生産振興が重点課題となっており,本作物のウイルスフリー株を作出し,産地に導入することで生育・収量が増加することが確認されている。しかし,本作物に感染するウイルスについては明らかとなっていない。そのため,県内産地よりサンプルを収集し,DAS-ELISA法によって感染の可能性の高いウイルスであるトマト黄化えそウイルス(TSWV),キュウリモザイクウイルス(CMV)およびキクウイルスB(CVB)の3種ウイルスの感染の有無を調査した。その結果,調査した32圃場の中でTSWVは6圃場,CMVは6圃場,CVBは19圃場で感染を確認した。TSWVおよびCMVの感染を確認したサンプルは,3種ウイルス全てに重複感染していた。また,CMVではウイルスフリー株に汁液接種することによって植物体へ感染することを確認した。しかし,ウイルス感染による症状は,現地圃場観察や接種試験では不明瞭であり,今後明らかにしたい。