研究会(研究発表会)
第61回(石川)
講演要旨
斑点米カメムシに対する本田粒剤(殺虫殺菌混合剤)の効果
野口忠久・新井利直(長野農事試)
いもち病とカメムシ類が防除対象となる場合,本田粒剤(殺虫殺菌混合剤)によって散布労力軽減や農薬のドリフト低減が図れる。一方,いもち病防除のためには出穂期前に薬剤散布を行う必要があるが,カメムシ類防除では登熟期間中の効果の持続が重要であると考えられる。そこで,オリサストロビン・ジノテフラン粒剤(以下,ジノテフラン),ピロキロン・クロチアニジン粒剤(以下,クロチアニジン),メトミノストロビン・エチプロール粒剤(以下,エチプロール)の3剤を出穂10日前または出穂5日前に散布し,カメムシ類に対する防除効果及び斑点米防止効果を検討した。また,試験圃場の稲株を用いたアカヒゲホソミドリカスミカメ及びオオトゲシラホシカメムシの網枠放虫試験により,両種に対する斑点米防止効果を検討した。その結果,斑点米発生が多かった場内で3剤に十分な効果は認められなかった。白馬村ではジノテフラン及びエチプロールに効果が認められた。網枠放虫試験ではアカヒゲホソミドリカスミカメに対する効果が3剤に認められた。オオトゲシラホシカメムシに対する効果は全般に低かったがエチプロールに効果が認められた。各剤とも散布時期でみた効果の特徴ははっきりしなかった。