研究会(研究発表会)
第61回(石川)
講演要旨
ウコンノメイガ性フェロモントラップ利用による発生量調査法の検討
小池利幸1・小潟慶司1・山代千加子2(1新潟防除所・2新潟農総研作物研)
新潟県では,近年ダイズほ場におけるウコンノメイガの発生程度が高く,防除対応の遅れ等によって,多被害を招く事例がみられている。そこで今回,合成性フェロモントラップによる誘殺調査を試みた結果,設置方法や誘殺の特徴などに関して,2,3の示唆が得られた。県内4か所のダイズほ場において,SE粘着式トラップを同一圃場内に異なる高さ(「草丈」,「草丈の1/2」,「地上50cm固定」)で設置し,誘殺数を数えた。越冬世代成虫における高さ別の誘殺数は,いずれの地点でも「草丈の1/2」が最も多く,7月中下旬に誘殺盛期となった。また,株のたたき出しでほとんど成虫が確認されない時期でも,フェロモントラップで誘殺が認められた。一方,第1世代成虫の誘殺数は越冬世代に比べて少なかった。たたき出しによって成虫発生が認められる場合でも,誘殺数が少なかった。これらのことから,ウコンノメイガのフェロモントラップは越冬世代成虫の発生量調査の手段として有望で,設置高は「草丈の1/2」が良いと思われた。