研究会(研究発表会)
第62回(福井)
講演要旨
ダイズ茎疫病に対する各種種子処理剤の効果
三室元気1・岩田忠康1・守川俊幸1・向畠博行2 (1富山農総セ農研・2富山農総セ園研)
ダイズ茎疫病は、富山県において初期の立枯性病害として最も重要な病害である。本病の防除薬剤として、生育期の散布剤の登録はあるが、本病は発芽直後から発病し、発生の拡大も急激なため、茎葉散布で適期に防除することは容易でない。そこで、2006〜2009年、生育期の散布に替わる省力的な防除技術として、数種の種子処理剤の効果を検討した。2006と2009年は圃場、2007と2008年はポットで試験を実施した。なお、2006年は培養菌体、2007年と2009年は罹病ダイズ苗を接種源とし、2008年は病土を用いた。いずれの年度も湛水処理等を行うことにより、無処理区で発病株率10%以上の発病となった。供試したシアゾファミド水和剤の種子重量2%塗沫処理の防除価は61.6〜100、チアメトキサム・メタラキシルM・フルジオキソニル剤の0.8%塗沫処理の防除価は66.7〜84.1、そしてアミスルブロム水和剤の2%、1%、0.5%塗沫処理の防除価はそれぞれ92、84〜100、91となり、いずれの薬剤も実用的な防除効果があると判断された。