研究会(研究発表会)

第62回(福井)

講演要旨

リアルタイムRT-PCRによるOlpidium virulentusからのチューリップ微斑モザイクウイルスおよびチューリップ条斑ウイルスの検出

桃井千巳1・森脇丈治1・守川俊幸21富山農総セ園研・2富山農総セ農研)

これまでにチューリップ微斑モザイクウイルス(TMMMV)およびチューリップ条斑ウイルス(TuSV)の汚染土壌から、マクワウリを捕捉植物とした根からのRT-PCRにより両ウイルスの検出が可能であることを明らかにした(平成20年度植物病理学会大会)。しかしながら定量化には至っていないため、両ウイルスによる土壌の汚染程度の把握を目的としてリアルタイムPCRを用いた媒介菌Olpidium virulentusの遊走子からの検出を検討した。両ウイルスに感染したチューリップ(品種 Pink Diamond)にマクワウリで継代したO. virulentus(ES 5ms-1株)の遊走子を灌注接種して1週間後に根を回収し、両ウイルスを保毒した遊走子を調製した。保毒した遊走子懸濁液4.9×105個/mlの1mlから、ビーズ破砕と改変CTAB法(Rattiら、2004)を組み合わせた方法により全核酸を抽出した。そのうち1µlを用いてSYBR Green IによるリアルタイムRT-PCR(Step One plus Real-time PCR system)を行い、RT-PCRとの感度を比較した。その結果、リアルタイムRT-PCRの定量可能な遊走子濃度の範囲は10〜105個/µlであり、RT-PCRを用いた検出よりTMMMVで50〜100倍、TuSVで10倍感度が高かった。

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2011.1.21更新