研究会(研究発表会)
第63回(新潟)
講演要旨
土づくり資材および薬剤施用によるイネごま葉枯病防除効果
堀 武志1・白鳥 豊2・澤田勝則3・遠藤由紀夫4・平野俊和5・岩田大介6・黒田智久6・石川浩司6(1新潟県経営普及課・2新潟農総研・3新発田普及セ・4長岡普及セ・5新潟防除所・6新潟農総研作物研)
ごま葉枯病の発病抑制にはケイ酸等を含有する土づくり資材(以下、資材)が有効とされているが、資材の種類や実用的な施用量、発病抑制効果は明らかでない。そこで、軽量気泡コンクリート粉末肥料「S」80kg/10a(可溶性ケイ酸17%、他)、含鉄鉱さいケイ酸質肥料「IS」100kg/10a(鉄12%、可溶性ケイ酸20%、他)、鉱さいマンガン肥料「M」40kg/10a(く溶性マンガン30%、他)および殺菌剤メトミノストロビン4%粒剤「MG」を、単用または体系処理し、発病抑制効果および収量を比較した。試験は2009〜2010年に2地域で実施し、2010年にはそれぞれの資材の倍量施用区も設けた。MGによる葉身発病の防除効果は高かったが、各資材施用による効果はごくわずかであった。MGの穂枯れに対する効果は防除価50〜90と比較的高かった。各資材施用による同防除価は試験事例により異なり0〜30程度であり、Mの効果が最も安定していた。また、各資材とも減収抑制効果が認められ、資材によっては倍量施用により発病抑制効果と減収抑制効果が向上した。Mの施用により葉の枯れ上がりが抑制され、減収抑制効果もMG単用とほぼ同等であった。SまたはMとMGとの体系処理では、各々の単用より防除効果が高まり、多発生条件での防除に有効と考えられた。