研究会(研究発表会)
第63回(新潟)
講演要旨
銀色のビール空き缶によるアブラムシ類,アザミウマ類防除
宮下奈緒・藪 哲男(石川農研)
シルバーポリやタイベックなどの光反射資材を用いた物理的防除法は,環境にやさしい防除技術として実用化されている。これは紫外線を反射させ,アブラムシ類などの走光性をかく乱するもので,一部の農家らは,銀色のビール空き缶(以下ビール缶)やコンパクトディスクなどを代替資材として用いてアブラムシ類などの防除を行っている。そこで,ビール缶によるアブラムシ類とアザミウマ類の忌避効果を検証した。供試した資材はビール缶,シルバーポリ,タイベックで,対照を黒マルチとした。これらを裸地に設置して青色及び黄色粘着板を用い,アブラムシ類及びアザミウマ類誘殺数を比較した。調査は7〜10月の間で計6回行った。その結果,ビール缶区のアブラムシ誘殺数は,シルバーポリ,タイベック区よりは多いものの,黒マルチ区と比較して少なかった。アザミウマでも同様の傾向がみられた。以上より,ビール缶の設置はアブラムシ類,アザミウマ類を抑制する可能性が示唆された。