研究会(研究発表会)

第63回(新潟)

講演要旨

青枯病抵抗性台木の「高接ぎ」によるナス青枯病の防除効果

棚橋 恵1・横山和男2・長谷川雅明31新潟農総研園芸研・2現:農業大学校・3現:新潟農総研高農技)

青枯病抵抗性台木の特性として,台木の上部の茎になるほど,青枯病菌の茎からの検出率が低下する(中保,1997)。トマト青枯病では,抵抗性台木の接木部位を高くした高接ぎの防除効果が確認されている(鍛冶原ら,2008)。そこで,青枯病抵抗性台木「トルバム・ビガー」を用いてナス青枯病に対する高接ぎの防除効果を検証した。穂木品種は,「千両2号」を用い,第3節間部以上で接いだ高接苗,通常の接木(慣行)苗および自根苗を供試した。2008年6月23日,青枯病MAFF8246(W菌群)菌により汚染土壌を充填したコンクリート枠ほ場(1.2×1.6m)に上記苗を定植した。1区5株,5反復試験を実施し,栽培管理等は県栽培指針に準じた。発病調査は,7月5日〜10月14日に尾崎ら(1989)の方法に準じた。青枯病の初発生時期は,高接区7月25日,慣行区及び自根区は7月20日であった。高接区,慣行区及び自根区の発病度の平均は,7月25日:3,15,42,8月5日:20,46,85,8月14日:30,50,91,8月25日:47,62,94,9月5日:48,66,94,9月20日:38,55,100および10月14日:64,69,100であった。以上から青枯病抵抗性台木の高接ぎは,慣行の接木栽培に比べ抵抗性台木の効果を高めると考えられた。

第63回(新潟)講演要旨タイトルに戻る

Copyright © 2007 The Association for Plant Protection of Hokuriku. All Rights Reserved.
2011.1.21更新