研究会(研究発表会)
第63回(新潟)
講演要旨
新潟県におけるマメシンクイガの発生消長
山代千加子1,2,山下亜樹1,石本万寿広1(1新潟農総研作物研・2現:新潟防除所)
新潟県でのマメシンクイガの発生消長を明らかにするため,2009年に2地点,2010年に1地点のダイズ圃場(品種:エンレイ)において叩き出し成虫数,フェロモントラップ誘殺数,ダイズ莢の卵・幼虫数を調査した結果,以下の特徴がみられた。(1)叩き出し成虫の初確認は8月25日前後,発生盛期は8月第6半旬〜9月第1半旬であった。(2)フェロモントラップでは叩き出しによる成虫の初確認よりやや先行して成虫が誘殺され,盛期は8月第6半旬〜9月第1半旬であった。この誘殺数の推移は,叩き出しによる成虫数の推移と概ね同調した。(3)卵は8月第6半旬頃に初確認され,9月第1〜2半旬にかけて増加した。幼虫数は卵の推移よりやや遅れて増加し,9月第5〜6半旬に最多となった。莢からの幼虫脱出痕は9月25日頃から認められ,成熟期にかけて増加し,幼虫数の減少にほぼ対応した。(4)2年間の調査ではこれらの消長に大きな違いは認められなかった。また,2008年に県内5地点で調査したフェロモントラップ誘殺消長も今回の結果と類似していた。これらのことにより,本県におけるマメシンクイガの発生消長には年次・地点による大きな変動はないと思われた。