研究会(研究発表会)
第63回(新潟)
講演要旨
山形県の10ha規模の水田地帯におけるアカヒゲホソミドリカスミカメの発生動態
中島具子・越智昭彦・横山克至(山形農研セ)
アカヒゲホソミドリカスミカメのフェロモントラップを用いた斑点米被害発生予測を地区単位で行うため,10ha規模の地区における本種の発生動態を調査した。試験は,山形県天童市の2地区において,2009年,2010年に行った。6月下旬から8月中旬まで,各地区の隣接した21〜24筆の水田について,水田1筆につき1基のフェロモントラップを設置して誘殺数を調査し,本種の成虫発生盛期に水田畦畔と周辺の牧草地,雑草地のすくい取り調査を行った。調査地区においてフェロモントラップの誘殺数は,調査期間をとおして集中分布をしており,水田畦畔のすくい取り虫数も集中分布をしていた。畦畔のすくい取り虫数は,イネ科雑草の被度が高く出穂が確認された畦畔ほど多い傾向が確認されたが,畦畔のすくい取り虫数と水田内のフェロモントラップ誘殺数の間に一定の関係は認められなかった。また,出穂期が他と比べて早いほ場では,侵入が早い時期からみられる傾向が確認された。