研究会(研究発表会)
第63回(新潟)
講演要旨
水田に設置したアカスジカスミカメ,アカヒゲホソミドリカスミカメ合成性フェロモン混合剤トラップの誘殺消長
石本万寿広1・山下亜樹1・安田哲也2・望月文昭3(1新潟農総研作物研・2中央農研・3信越化学)
2010年に新潟県長岡市の8haの地区の27圃場にアカスジカスミカメ,アカヒゲホソミドリカスミカメ合成性フェロモン混合剤トラップを設置し,6月中旬からイネの収穫期まで約7日間隔で誘殺数を調査した。出穂期は,こしいぶき(5圃場)が7月25〜27日,こがねもち(3圃場)が7月31日,コシヒカリ(19圃場)が8月6〜10日であり,こしいぶきでは8月5日,こがねもちでは8月1日にジノテフラン粒剤を散布した。アカスジカスミカメはイネの出穂前にはほとんど誘殺されなかったが,出穂後,登熟初期にまとまって誘殺され,出穂期後10日間の平均誘殺数は,こしいぶき36.5頭,こがねもち9.1頭,コシヒカリ15.7頭であった。コシヒカリではその後も収穫期まで連続して誘殺された。アカヒゲホソミドリカスミカメは,6月下旬〜7月上旬とイネの登熟初期にまとまって誘殺され,出穂期後10日間の平均誘殺数は,こしいぶき17.3頭,こがねもち1.2頭,コシヒカリ3.8頭であった。登熟初期の誘殺消長と誘殺数の品種間差異は2種で類似し,この時期においては2種の発生量を同時に調査できると考えられた。