研究会(研究発表会)
第63回(新潟)
講演要旨
合成性フェロモントラップ誘殺数を用いたウコンノメイガの要防除水準
片山雅雄1・西島裕恵1・吉島利則2・望月文昭3(1富山農総セ農研・2現:新川農振セ・3信越化学)
ダイズの食葉性害虫であるウコンノメイガは,ほ場によって発生量の差が大きいことから,薬剤散布に当たっては,事前の防除要否判断が重要である。富山県では,2002〜2004年の被害解析試験の結果,8月下旬の葉巻数20個/本を被害許容水準とし,これに対応する7月6半旬の平均葉巻数6個/本以上を要防除水準に設定しているが,防除要否を判断する時期と防除適期が同時期であるため,対応が遅れる場合がある。そこで,フェロモントラップ誘殺数を用いた,簡易に早期の判断が出来る要防除水準の設定を検討した。2008〜2010年の7月に,白色SEトラップを誘殺数が安定して多いダイズ草冠高に設置したところ,誘殺数と8月下旬の葉巻数の間には正の関係が認められた。また,推定される関係式は,誘殺期間が長いほど当てはまりがよいが,防除時期を考慮した7月1〜4半旬とした場合でも当てはまりのよさは大きく低下せず,y=(2.03+0.16x)2の関係式が得られた。関係式に被害解析の結果を代入することで7月1〜4半旬のトラップ誘殺数に対応した要防除水準15頭が求められた。