研究会(研究発表会)
第64回(富山)
講演要旨
イネ墨黒穂病に対する3種薬剤の散布適期
石川浩司・黒田智久・岩田大介(新潟農総研作物研)
新潟県ではイネ墨黒穂病による糯品種「わたぼうし」の規格外米発生が問題となっている。そこで、近年墨黒穂病に対して農薬登録された3薬剤の散布適期を検討した。メトミノストロビン15%粒剤を、2010年は出穂24、16、10日前、2011年は出穂30、17、8日前に1kg/10a散布した。防除価は86〜94(2010年)、79〜89(2011年)と高く、散布時期による効果の違いは認められなかった。銅粉剤DLを、2010年は出穂24、17、10日前、2011年は出穂30、17、10日前に4kg/10a散布した。2010年は防除価91〜94と高く、散布時期による効果の違いは認められなかったが、2011年は早い散布時期の効果が低く、散布翌日からの連続した多雨の影響が考えられた。チオファネートメチルゾルの1000倍液を、2010年は出穂17、6日前、出穂1日後、2011年は出穂17、8日前、出穂期に150L/10a散布した。出穂期頃の防除価は71、77、出穂17日前の防除価は43、33で、防除効果は他剤に比べやや低く、散布時期が早いほど効果が低下する傾向であった。以上より、散布適期はメトミノストロビン粒剤では出穂30〜10日前、銅粉剤DLでは出穂24〜10日前、チオファネートメチルゾルでは出穂期頃と考えられた。