研究会（研究発表会）

ねぎ栽培における大豆および乾燥おからの植溝処理によるタネバエ被害抑制効果

佐藤秀明¹・横山和男²・松澤清二郎¹（¹新潟農総研園芸研・²新潟農総研中山間農技）

　新潟県下越地域の砂丘地畑のねぎ栽培で，タネバエによる6〜7月の枯死被害が問題となっている。そこで，2007年〜2010年に園芸研砂丘地ほ場の夏ねぎおよび秋冬ねぎのタネバエ被害軽減を目的に，定植時に大豆または乾燥おからを0g〜500g/m2植溝処理した。その結果，どの試験年においても処理区は定植〜8月上旬までの枯死株が少なかった。ねぎ収量は大豆，乾燥おからとも0〜250g/m²の間は処理量が増えるほど多かった。2010年の秋冬ねぎの定植時に大豆を250g/m²植溝処理した区と無処理区で，処理21日後にねぎ1m²を掘り取り，ねぎのタネバエ被害株率と寄生幼虫数，株元土壌中の幼虫・蛹数を比較した。被害株率は処理区2%，無処理区33%であった。寄生幼虫数は処理区1頭/m2，無処理区17頭/m2となり，タネバエ被害抑制効果が確認された。株元土壌中の幼虫・蛹数合計は大豆処理区410頭/m²，無処理区4頭/m²で，タネバエ幼虫が大豆に誘引されることで被害が抑えられていると推察された。