研究会(研究発表会)
第64回(富山)
講演要旨
イネ稲こうじ病に対する薬剤の防除効果
岩田大介・石川浩司・黒田智久(新潟農総研作物研)
2010年と2011年に現地ほ場(コシヒカリBL)で稲こうじ病に対する5種の薬剤の防除効果を比較した. 2011年に,フェリムゾン・フサライドフロアブル(以後Fe・Ft)を出穂14日前,シメコナゾール粒剤(以後Si)を出穂19日前,イミノクタジン酢酸塩1.0%・トリシクラゾール粉剤DL(以後Im1.0%・Tr)を出穂7日前,イソプロチオラン・イミノクタジン酢酸塩1.5%粉剤DL(以後Is・Im1.5%)を出穂14日前,および銅粉剤DL(以後Cu)を出穂14日前に散布した後,成熟期に300株の発病粒数を調査した.発生状況は多発生(無処理の株当たり発病粒数2.84粒)であった.発病粒数から防除価を算出したところ,Cuが99,次いでIs・Im1.5%が73,Im1.0%・Tr が65,Siが57,Fe・Ftが0であった.2010年は少発生(無処理の株当たり発病粒数0.10粒)であったが2011年と同様の結果であった.これらのことから,稲こうじ病に対して銅剤が最も防除効果が高いと考えられた.銅剤に比べ防除効果が低かった他の薬剤は,他病害との同時防除や,飛散防止が必要な場面で利用できると考えられた.