研究会(研究発表会)

第64回(富山)

講演要旨

2010年の発生調査に基づくダイズ黒根腐病発病度変動要因の分析

黒田智久1・前田征之2・岩田大介1・石川浩司11新潟農総研作物研・2新潟農総研)

ダイズ黒根腐病の発生程度は,同一耕作者,同一耕種法条件下でもほ場間差が見られる.そこで新潟県内39ほ場について,ダイズ黒根腐病ほ場発病度の変動要因になり得るほ場条件(ほ場面積,播種時グライ層位置,暗渠・明渠・営農的排水対策の有無,土壌pH),耕種法(作付年数,播種日,播種方法,苗立ち数,培土回数)について聞き取りまたは現地調査した.ほ場発病度は,収穫後の根の発病程度(4段階)により算出した.その結果,全てのほ場において黒根腐病の発生が見られ,平均発病株率92%,平均ほ場発病度は48.8であった.各アイテムを2〜3カテゴリーに分類して分析した結果,明渠無し,連作ほ場においてほ場発病度が高まる傾向が認められた.さらに,数量化I類を用いて分析した結果,重相関係数は0.82(1%水準で有意)であり,用いた11アイテムでほ場発病度変動要因の約70%が説明可能と考えられた.主なアイテムのうち,播種時グライ層の位置,明渠・営農的排水対策の有無,連作年数,播種日はカテゴリースコアが高く,特に明渠施工の有無と作付年数は1%水準で有意であり,これらがほ場発病度に強く影響していると考えられた.

第64回(富山)講演要旨タイトルに戻る

Copyright © The Association for Plant Protection of Hokuriku. All Rights Reserved.
2013.9.20更新