研究会(研究発表会)

第64回(富山)

講演要旨

チューリップ圃場におけるアブラムシの発生の状況および薬剤感受性

桃井千巳1・森脇丈治1・守川俊幸2・村井保31富山農総セ園研・2富山農総セ農研・3宇都宮大)

TBVによるチューリップモザイク病はアブラムシで媒介される重要病害であり、近年、富山県内において本病による被害が増加している。そこで、生産者圃場で発生しているアブラムシ類の種の同定と薬剤感受性および発生消長を調査した。2011年5〜6月に県内19ヵ所の圃場でチューリップに着生していたアブラムシはモモアカ、ワタ、ジャガイモヒゲナガ、ムギヒゲナガ、ムギクビレであった。このうち、TBVの媒介者であるモモアカ、ワタ、ジャガイモヒゲナガについて、虫体浸漬法(浜、1987)により薬剤処理24時間後の殺虫効果を調査した結果、モモアカに対してはイミダクロプリドで、ワタに対してはマラソン、フェンプロパトリン、イミダクロプリド、アセタミプリドで、ジャガイモヒゲナガに対してはマラソン、フェンプロパトリン、イミダクロプリド、アセタミプリド、クロチアニジンで即効性が認められた。園芸研究所内圃場でのアブラムシ類の黄色水盤への飛来数は、過去10年毎の比較では全体的に増加傾向にあり、特に4月下旬〜5月上旬の飛来数が増加していた。以上から、本病防除にはアブラムシの種の発生に応じた薬剤の選定が重要と考えられた。

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2013.9.20更新