研究会(研究発表会)

第64回(富山)

講演要旨

新潟県下のユリにおけるオオバコモザイクウイルス(Plantago asiatica mosaic virus, PlAMV)の発生

円谷祐未1・棚橋 恵2・小田正之3・佐野義孝11新潟大農・2新潟農総研園芸研・3新潟県経営普及課)

オオバコモザイクウイルス(Plantago asiatica mosaic virus、PlAMV)は、ポテックスウイルス属に属する屈曲棒状のウイルスで汁液・接触により伝染する。これまでに国内では青森・北海道の食用ユリやサクラソウからPlAMVが分離されている。2010年、新潟県内のオリエンタルハイブリット系ユリでさび状の壊疽斑を生じる障害が散見された。既知の数種ウイルスに対するプライマーを用いて病原の同定を行った結果、本県では未発生のPlAMVが検出された。魚沼市の罹病ユリ株からRNAポリメラーゼを含むゲノム領域の塩基配列を解析し、これまで報告されたPlAMVと比較した結果、青森県で分離されたユリおよびサクラソウPlAMV分離株ら(高橋ら2003)と塩基配列で85%、アミノ酸で93%の相同性が見られた。これらの結果から、新潟県で発見されたPlAMVは、青森県で分離されたものとは遺伝学的に異なるPlAMVであることが分かった。新たに、2011年に新潟市のオリエンタルハイブリット系ユリ(品種名:ソルボンヌ)においてもPlAMV感染が確認されており、あわせて類縁関係について報告する。

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2013.9.20更新