研究会(研究発表会)
第64回(富山)
講演要旨
富山県内の園芸施設から採集したミカンキイロアザミウマの薬剤感受性
青山政義・西島裕恵(富山農総セ農研)
ミカンキイロアザミウマは海外からの侵入害虫で、1995年に富山県内で初めて確認されて以来、薬剤に対する感受性が低下しやすく、トスポウィルスを媒介する難防除害虫として問題となっている。そこで、2011年6月に南砺市福野と富山市太田の園芸施設で採集したミカンキイロアザミウマの個体群について感受性検定を行った。検定方法はソラマメ催芽種子浸漬法により、登録薬剤を中心に29薬剤について調査した。その結果、南砺市および富山市採集の両個体群ともに、有機リン系殺虫剤ではプロチオホス剤、フェニルピラゾール系ではフィプロニル剤、新系統ではエマメクチン安息香酸塩剤の効果が高かった。しかし、カーバメイト系、ネライストキシン系、合成ピレスロイド系、ネオニコチノイド系の各殺虫剤では、いずれの薬剤も効果は低かった。また、新系統のスピノサド剤は富山市採集の個体群では効果が高かったが、南砺市採集の個体群では低く、採集施設により感受性の差異が認められた。